『世界一流エンジニアの思考法』読書メモ: 仕事は楽しむもの
最近、世界一流エンジニアの思考法という本とても人気があるようで、読んでみた。
「Team Geek」や「Clean Agile」、「NO HARD WORK!」などの本と似たような観点が多いと感じるが、あらためて考えさせられる部分も多かった。
以下、個人的に印象に残った部分をメモ。
理解に時間をかける
プログラミングの仕事で、わからないバグやエラーが日常的に発生している。その時、エンジニア、特に初心者がやりがちなのは、とりあえず色々試行錯誤を始める。
AIのおかげで、今はエラーログを投げるとすぐたくさんの可能性と解決策が出てくる。そのままコピペでは、たまにうまくいくこともあるが、よくあるのは、たくさん試しても解決できてない。ただ時間を無駄にしてしまうだけ。
それは、そのバグの挙動を理解していないからだ。
すぐに手を動かすより、まずそのエラーが何を意味しているのか、どういう状況で発生しているのか、事実をもとに原因を推測する。そして、仮説を検証する。
個人的によく感じているのは、私が毎回GPTのアドバイスを一つずつ試そうとしているのは、基礎知識が足りないかもしれない。だから、最初の仮説すら立てられない。
そのため、まずは基礎知識を学び、理解することが重要だと感じた。
そしてその場での解決だけでなく、発生理由をちゃんと時間かけても理解し、知識を積み重ねて、体系化することを心がける。
Be lazy
仕事を効率化するというのは、より少ない時間で価値を最大化するということ。
優先順位をつける
単にタスクの優先順位をつけて一つずつやるのでなく、「一番重要な一個だけを選ぶ」ということがポイント。
つまり、優先順位をつけることの目的は、一番重要なタスクだけに集中すること。他のタスクはやらない。
2-8則を応用する。80%の成果は20%のタスクで達成できる。その20%のタスクを見つけて、それに集中する。
会議の準備と持ち帰りはやめる
日本では、会議の準備と宿題の持ち帰りが当たり前だが、それは無駄な時間を使っているだけ。
会議の場で全てを完結することを目指すべき。
「楽に達成できる」計画で仕事をする
ソフトウエア開発上は、常に不確実性がつきまとう。だから、計画は柔軟であるべき。
火急の依頼が「マネジメント能力の欠如」とみなされる。それは依頼先に負担をかけるだけでなく、納期を割る確率が高い賭けをしていることになる。
計画をするとき、その人の能力を考慮し、プラス余裕を持たせることが重要。
無理なら、きちんと断ることも大切。疲弊の連鎖を回避するために。
コミュニケーションの極意
気軽に聞ける空気の大切さ
特にリモートワークでは、気軽に質問できる環境が重要。
quick callを活用するのが効率的。
わからないことについて、自分でドキュメントを読んだり、調べたりすることが大切だが、新しいプロジェクトなどバックグラウンドがない場合、関係する人に直接質問する方が早い。それも効率化の一つ。
意見が対立しても「否定しない」
自分の意見を言うとき、必ず相手の意見を否定しないことが鉄則。
仕事は楽しむもの
仕事を我慢するのでなく、楽しむことが大切。
マネージャーは単なる進捗確認や指示出すのでなく、メンバーが楽しめる仕事の環境を作ることが重要。
1on1で常に、「仕事を楽しんているか」を確認することが大切。
メンバーの答えがノーだったら、その理由を探り、改善策を考える。
日本でも中国でも、1on1でよくあるのは、「誰かを見習え」とか「もっと頑張れ」とかの話が多いが、それより、今楽しんでいるか、を先に聞くべき。
メンバーの個性を尊重し、楽しめる環境を作ることが、チームの生産性を高める。